google.com, pub-6886053222946157, DIRECT, f08c47fec0942fa0 日本各地の美しい風土を巡ります。: 新・日本紀行;観光編(24) 「釧路湿原」

2013年1月9日水曜日

新・日本紀行;観光編(24) 「釧路湿原」

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 新・日本紀行;観光編(24) 「釧路湿原」 





釧路湿原
写真:釧路湿原(展望台と湿原) 





釧路の市街地を横断して、湿原展望台へ向かう。

道道53(釧路鶴居弟子屈線)の湿原の際をしばらく行くと、高台に「展望館」があった。
夕刻迫る(16時15分~)終了間際の時間帯であったが、有料入場360円を払って展望台へ駆け上がった。 
円形のほぼ360度方向の展望塔は全方向の眺望が得られるが、やはり夕闇迫る時刻、透明感のある視界は残念ながら望めなかった。 

しかし、我が国最大の釧路湿原の雄大さは堪能できた。 
館内は釧路湿原の生い立ちや、湿原の動植物、遺跡、地形、地質などについて展示しており、展望台の周囲は遊歩道が敷かれ、 温根内ビジターセンターと北斗遺跡(旧石器時代から縄文・続縄文時代を経て擦文時代に至る重複遺跡)へ通じている。



釧路湿原は日本では最も広い湿原で、その凡そ八割はいわゆる低層湿原であると言われている。
湿原に踏み込んでみると地面はスポンジのように柔らかく、踏みしめると水がジュクジュクと染み出してくる。 
これが低層湿原と言われ現象で、寒冷な気候条件から植物が分解されないまま何百年にもわたり堆積し泥炭を形成している姿である。 
普通なら腐ってしまう枯れ草も、寒冷地ではそのまま積もり重なってしまい、積もり具合は1年に1mm程度といわれ、釧路湿原の泥炭の層が平均3~4m、深いところでは6mに達していることを思うと、最低でも3000年以上の歳月がかかっているという。

因みに、その下には貝の化石や海の泥などを含む層があり、その昔、海だったことを物語っている。


湿原の中には達古武湖、塘路湖及びシラルトロ湖などの海跡湖の他に数多くの小さな池や沼がある。 
又、草原はヨシ、スゲに覆われた湿原が続いているが、わずかに変化を与えてくれるのは高層湿原でもあり、所々にハンノ木の樹海林のなだらかな丘陵や台地が広がっている。


釧路湿原は、低層湿原の他に高層、中間、それぞれに特徴的な植生も見られるという。 
湿原を潤している水は、釧路川と阿寒川から潤沢に供給され、これらの川の源である「屈斜路湖」と「阿寒湖」などが大きなダムの役割を果たしている。 
加えて、湿原の中にある各種の湖や沼も水の供給源となっている。
水源からの豊富な水の供給と泥炭がもつ保水力が湿原を継続的に維持するために不可欠の要素となっている。 

これら水性湿地には、特別天然記念物のタンチョウはじめ、わが国最大の淡水魚・イトウ、氷河期からの遺存種キタサンショウウオ、エゾカオジロトンボなど貴重な野生動物の生息地としても重要な地域でもあり、1980年に一部が「ラムサール条約」に登録されている。



【低層湿原】
一般に湿原と言うと、これを指し、釧路湿原の80%は低層湿原といわれる水性(湿性)湿原である。  
表面が平坦で地形面と地下水面とが一致し、湿原の表面まで冠水しているものを言う。
その水は地表水と地下水に依存し、比較的富栄養性で、そのため、大型のヨシ、ガマ、及び大型スゲ群落などの草木が繁殖する。
また、地下水で涵養されているため集水域が開発されると、その地下水位に変化がおこり、変質や減少、さらには消失してしまうことがある。



【中層湿原】
低層湿原から高層湿原に移行するときの湿原のことである。
地下水で涵養され植生が維持されている低層湿原と、雨水のみによって植生が維持されている高層湿原との中間の性質を持つ湿原といわれる。
植生はヨシやスゲ類が主体となり、指標となる植物はヌマガヤである。



【高層湿原】
分解されず堆積した泥炭が多量に蓄積されて、周囲よりも高くなったために地下水では涵養されず、雨水のみで維持されている貧栄養な湿原を指す、乾性湿原。 
代表例に尾瀬ヶ原やサロベツ湿原があげられる。
植生はミズゴケ類が主体であり、温暖な地域では枯れた植生がすぐに分解されてしまうため、高層湿原は発達しない。
まれに冷たい湧き水などがある場合に、それに近いものが形成され、氷河期の遺存種など、貴重な動植物が生息する場合が多い。



「釧網本線」について・・、

釧路湿原は太平洋に面した海沿いを除き、釧路湿原展望地辺りを境にして、その周りを高い崖、高地でぐるっと取り囲まれて入るのが判る。 
この地が太古には海であり、海跡湖としての形骸が見て取れるのである。 
東の境界が鶴居村、屈斜路・摩周湖へ延びる道道53号線に沿って、西側はJR釧網本線辺りが境になっている。 
従って、JR線からは起点の東釧路(列車はすべて釧路発着)を出ると、列車はすぐに釧路湿原へと入っていくようになる。 
釧路の市街地から、いきなり広大な湿原の風景に変わるところがいかにも北海道らしく、茫々たる湿原に川がゆったりと蛇行し、大小の沼地が点在する風景は大陸的であると。

列車は全体的に湿原の東端を走るため、釧路から乗車した場合は、どちらか言うと車窓左側の方が景色がよいらしい。 
しかし、一部は湿原の真ん中を走る区間もあり、その中心が塘路駅であり、湿原にある湖の中で最大の塘路湖(とうろこ)は、塘路駅の車窓右側にある。

この釧網本線は全国のすべての鉄道路線の中で、最も風景が美しい路線だといわれる。 
尤もで、釧路湿原国立公園・阿寒国立公園の二つの国立公園、さらには網走国定公園の中を走るわけで、景色がよいのも当然である。
国立公園の中を走る路線は全国にいくつかあるが、二つの国立公園の中を走る路線は、全国でもこの「釧網本線」だけである。


次回はその体験乗車・「釧網本線





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